剪定の常識・非常識                                    

教えて! 剪定のポイント
  1.  いらない枝の見定め方

どの木にも共通して切るべき枝があり, それを「忌み枝」と呼び、下のような種類があります。


徒長枝(飛び枝)勢いよく大きく伸びすぎた枝
立ち枝
垂直に上に伸びる枝
平行枝ほぼ同じ場所から長さ,太さ,方向を同じくして平行に伸びる枝
逆さ枝他の枝とは逆向きに幹の中心や下向きに向かった伸びる枝
からみ枝他の枝にからむ枝。枝がすれて痛むので切る
交差枝主要な枝や幹と交差する枝。不自然なので根元から切る
幹吹き(胴吹き)幹から直接発生した小枝
ヒコバエ根元や地中から勢いよく伸びた小枝
その他折れ枝・枯れ枝・病虫害を受けた枝

忌み枝は見つけたら必ず剪定しましょう。樹形を乱すばかりでなく、木が病気になったり枯れる原因になります。
     
  2.  切ったあとは必ずいい枝が出る
「こわくて切れない」という声をよく耳にします。たしかに慣れないと心配になる気持ちも わかります。しかし、切ったところから必ず前よりいい枝が伸びるので、怖がらずに切ると いいでしょう。枝を落とすことをよく「切り込む」と言いますが、この「込む」というのは、 単に枝を切り捨てるだけでなく、その切ったあとが密生することを意味します。切れば必ず 込んできます。切り捨てると思えば怖くなりますが、切り込むと思えば少しは気が楽になり         ませんか?
     
  3.  切り口とあとの伸びを考えて切り方を選ぶ
剪定の方法には3種類あります。
             切り戻し  枝を途中で切る               切り戻しは定芽のついた若い枝を切るので、花や葉が少なくなり、切り口が目立 ちがちです。また、剪定後は切り口から数本の枝が発生して樹形が乱やすいので、 とくに慎重に行います。
             間引き  同じように並んだ沢山の枝の中の数本を枝元から切り取って枝数を少なくする 間引くと、残した枝の定芽から勢いのよい枝や葉が出ます。 枝を残さずに切るので切り口が目立たず、樹形がすっきりします。
                         切り替え  枝分かれしたところで切って、枝の伸びる方向を変える  切り替えると、切り口に近い枝の頂芽の勢いがよくなってぐんと伸びます。              間引きと同じく、枝を残さずに切るので切り口が目立たず、樹形がすっきりします。
  4.  切り口はなめらかに
  木だって、切れない刃でギコギコ切られたら痛いにきまってます。切れない刃で切ろうとす     ると、組織をつぶしてしまうので、後の発育が悪くなります。枝を飛ばすときには、鋭い刃物         でスパッと切らなくてはいけません。切り口が凸凹していては、そこに雨が溜まり、腐り込む         原因になります。
  5.  水切り勾配をつけて切る
  切り口から、雨水と共に雑菌が侵入してきます。雨を切り口に溜めてはいけません。その         ために「水切り勾配」と称して、切り口を斜めに切ります。雨を切り口にいつまでも溜めず、         流れるようにするわけです。
6. 根もいっしょに切る
  形を作ることに一生懸命になりすぎて剪定を進めていると、突然枯れることがあります。         これは、根と枝葉とのバランスが原因です。特に、今まで一度も剪定されたことのない大きな         木で、一度に強い剪定をしたときに見られる現象です。強い剪定をしたときは、根も一緒に切         ってやらなければいけません。
7. 季節ごとの剪定

  樹種によって適期がありますが、一般的には、春は成長の調整のため、夏は通気・採光         を良くするため、秋と冬は姿の完成のため、といった目的で行います。
             春・開芽期(3〜5月)              新芽が芽吹く時期です。新芽が出て葉にならないうちに、主に常緑樹の   小すかし・芽摘み、マツ類のミドリ摘みを行います。強い剪定は樹勢を弱め   ますので、気をつけて下さい。とくに慎重に行います。
           夏・繁茂期(6〜8月)   枝が伸び、葉の成長が終わる時期です。枝葉が密生するので、小すかし   ・中すかしを2〜3回こまめに行います。一度に大すかしをやると樹勢を弱め   ますので、気をつけて下さい。
           秋・成熟期(9〜10月) 栄養分が蓄積する時期で、常緑樹の一部は、この時期に姿を整えます。          10月下旬頃までは、夏と同じ要領で小すかし、中すかし、マツ類のハサミ   割りを行います。樹種や木の勢いによっては、この時期に剪定をすると二番   枝(秋芽)が出ることがありますので、余分な枝切り戻します。
           冬・休眠期(11〜2月)   成長が休止する時期で、主に落葉樹の枝作りのための枝おろしや枝すか   しを行います。ただし、カエデなどは、2月以降になると樹液が動き始めるの   で、1月中に整姿・剪定を行うようにします。

                                  「庭師の知恵袋」豊田英次著より抜粋