★昆虫のいる風景★

実家の畑はほとんど無農薬でしたから、様々な虫が生息していました。
キャベツにはモンシロチョウの幼虫。きれいな緑でビロードのような手触りのかわいい芋虫です。
山椒の木には毎年アゲハ蝶の幼虫がやってきました。黒と鮮やかな緑の縞々模様の大きな幼虫です。さほど大きくない山椒の木は、哀れにもみるみる丸坊主になってゆくのですが、家族は見て見ぬふり。
山椒はいずれまた芽を拭きますし、アゲハ蝶はモンシロチョウと違って数も少なく貴重ですから・・・。
夏になれば蛍も毎年やってきました。沢山の黄色い明かりが闇を照らして飛び交う幻想的な光景と蛍を手に取ったときのほのかなぬくもりは忘れられません。
赤とんぼは群れでやってきました。あたり一面を飛び交う後継は圧巻です。虫取り網を一振りするだけで数十匹捕獲できました。
ある年、田んぼがいっせいに整備され、フナやヤゴで賑やかだった用水はすべてコンクリート製になってしまいました。
その翌年から、蛍はぱったりと姿を消しました。
蝶々たちも、周囲の田んぼの農薬の普及と共に数を減らしてゆきました。
人が便利さを追求すると同時に、風景がどんどん色あせていくように感じるのは気のせいではないと思います。
少なくとも色鮮やかに四季を彩った昆虫たちが減っていることは確実です。